2010年12月23日木曜日

うま兄貴の「クリスマスの思い出」~プレゼントは突然にやって来る~

 うま兄貴の「クリスマスの思い出」~プレゼントは突然にやって来る~

 「家(うち)はクリスチャンではない!だから、クリスマスなどやらん!!」と言う父だった為、子供の頃のクリスマスと言えば、ただケーキを食べられるくらいの小さなイベントの一つにすぎませんでした。

 そんななので、枕元に届けられたプレゼントは、リアルであり、演出上手な父であった事を、今更ながら感服しております。「クリスマスパーティーもしない我が家には、サンタのおじさんなぞ、絶対来ない!」と信じていた少年うま兄貴。なんなんで、うま兄貴はサンタクロースの存在を結構な年齢まで信じていたりしました。

 そして、2010年。今年もクリスマスはやって来ました。ケーキを売ったり、駅で来ない恋人を待ったり、恋人がサンタクロースだったり。カーネルサンダースさんもご満悦な表情で、サンタのコスプレで皮算用。

 そんな中、うま兄貴の2005年のクリスマスの思い出を、ひとつ。お付き合いいただければ。

 2005年夏、うま兄貴は「三途の河」の川岸に立ったのでありました。河の向こう側で、父方・母方の祖父母が手招きをしているのかと思いきや、「こっちに来るな!しっ、しっ!!」の手払いだったのを、今でもはっきり思い出せます。

 まっ、その話は長くなるので置いておいて、そんなで2005年の秋冬は療養生活・病院通いの毎日でした。病人には、盆も暮れも、もちろん月見もボジョレーヌーボ解禁もありません。

 2005年クリスマスイブ前日も、うま兄貴は通院でした。

 

 病院に来る人のほとんどは「自分が一番辛い」と思っているのではないでしょうか・・・・。12月の賑わう街を通り過ぎ、幸せそうなカップルや家族を横目にたどり着く病院は、いつもよりも「幸せではない」事を感じさせる場所になっているように思えてなりません。

 その日のうま兄貴も、そんな一人。「何で、こんな思いをしなければ」と、病院の採血室で順番待ち。年末の病院は非常に混んでいる為、採血ひとつも一時間待ち。皆イライラし、愚痴を言い合う人や声を荒げる人も。採血室周辺は、さまざまな「マイナスオーラ」で、飽和しそうな雰囲気となっていました。

 そんな採血室に突然、子供の泣き声が響きわたりました。

 「やだよ!!もう注射はやだよ!!!もう止めてよ!!何でこんな思いをしなきゃいけないの!!」

 まだ、小学校にも通ってはいないであろう、少年。顔から、首から、腕から、アトピーで肌は赤くはれあがり、鼻にはチューブが導入されている。

 「今日我慢すれば、サンタさんが来てくれるよ!」と言う少年の母親の言葉にも、「サンタさんなんて来なくてもいい!!注射止めてくれれば、それでいい!!」と泣き続け、注射が終了してもしばらくは泣き止まなかった。

 その場にいた多くの人達が少年を見つめ、、少年の泣く声を聴き、その場の空気が、フッと明らかに変った。

 うま兄貴も「自分が一番辛い」「自分は不幸だ」と感じていた事が、いたたまれなくなった。なんて、自分は小さい人間なんだ。自分のことしか考えていないエゴイストなんだと。

 涙が、出てきた。

 こんなに、小さな子が、一生懸命生きて、我慢して、耐えているのに!!!

 おそらく、その場にいた多くの人が、同じ様に思っていたのではないだろうか。さっき怒鳴っていたおじさんも、愚痴っていたおばさん達も、シンとしていた。

 うま兄貴は、何かこの少年にしたいと思い、カバンに付けていたサンタの格好をした「くまのプーさん」のマスコットを少年に渡した。

 「良くがんばったね!!偉い!!必ずサンタさんは来るよ!」と。そんなことしかできなかった。

 

 この少年はもしかしたら、サンタクロースが贈ってくれた、天使では・・・・。なんて、恥ずかしげもなくロマンチストに思ってしまったりする。

 この少年との出会いが、「人のために何かできることがあるのかもしれない」と言う、うま兄貴がヘルパーになった事に、影響を及ぼしていることは確かであります。

 

 さてさて、お付き合い、ありがとうございました。皆様には、どんなクリスマスの思い出がありますか?

 そして、幸せだと感じられるクリスマスを、皆様が過ごしていただけることを、心より願いつつ。

                メリー・クリスマス!!!



3 件のコメント:

  1. うーむ、考えされますね・・・でも、いい話だ!!
    この仕事をしてから、今の世の中はあれー?と思うことも多々あり。でも業務車を運転中、ゆずってくれた、エレベーターでボタンを押し続けてくれた等、人の優しさに触れる事も多々あり。今年もたくさんの利用者様の笑顔が見れました。来年もたくさん見たいと思います。

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  2. 自分がこの世界に入ったのも、大事な人を亡くしてしまい。
    自分は、ただ悲しむだけで、最後まで何もしてあげれなかったっという後悔・・・後悔・・
    相手の気持をもっともっと解ってあげたら、あんな事もしてあげれた、
    こんな事も出来たとか・・
    だから もっと強くならなくては・・(強くなりすぎたところもあるけど・・)
    優しい気持を常に忘れず、人に接していきたいという思いで日々過ごしていきたいと思っておりますです。 はい・・

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  3. うまアニキ。今年もありがとう!
    最後の最後までK子に振り回され。。。
    本当にごめんね。
    でも、3人とも喜んでいましたよ。
    今年最後の仕事、ご苦労さまでした。

    今頃は個室の寝台列車で夢の中かな~?

    うまアニキとヒーホーは
    毎年変化していくまつぼっくりをずっと見てきたね。
    そして今年はようやく観念して責任者になってくれた。

    本当に感謝してます。

    面接に来た日が昨日のようです。
    辛かったこと。嬉しかったこと。たくさんあったね。
    大波・小波。まだまだあると思うけど
    これからもずっと~っずっと~
    よろしくお願いします!

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