2018年9月12日水曜日

8月の一句

◆8月2日 
お題「夏の太陽」で一句
蝉しぐれ眩し日影の葉の茶色
(せみしぐれ まぶしひかげの はのちゃいろ)

蝉しぐれ:夏、樹木などにへばりついてやかましく鳴声を立てる虫。多くの蝉がいっせいに鳴く騒がしさを時雨にたとえて蝉時雨という。[季]夏


☆想い(作者意図)
公園で休憩している時、足元に茶色の枝葉が転がっているいるのを見て、暑い日が続いているけれど季節は確実に進んでいるんだなあと感じた。
その時の一句が
「足元の茶色の枝葉夏の空」これでも良いのだが、もう少し視点を集約してみる。

夏をもっと具体的に感じられるフレーズを探した結果。蝉時雨という音、日差しが眩しいという状況。
その中でも日影には落ち葉があって葉には茶色の部分がある。この茶色の部分に秋の気配、季節は進んでいるんだなあと感じた。
「枯れる」「落ち葉」は冬の季語である。


◆8月9日 
お題「ラジカセ」で一句
白球よ色なき風のあとひとつ
(はっきゅうよ いろなきかぜの あとひとつ)

色なき風:秋の風のこと。「色なき」とは、花やかな色や、艶のないこと。[季]秋


☆想い(作者意図)
ラジカセからどんな音が聞こえてくるだろうと想像した結果。
2013年11月3日、仙台Kスタ宮城にタイムスリップした。
9回の表、田中将大投手がマウンドへ向かうときに流れた「あとひとつ」
球場の楽天ファンすべての人が泣きながら大合唱した日。
あの時の声を「色なき風」と詠んだ一句。


◆8月16日 
お題「帰省ラッシュ」で一句
透ける火のSeeyoulater盆の花
(すけるひの see you later ぼんのはな)

see you later→じゃあまたね
盆の花:盆に供える花である。山や畑でとってくることもあれば、市などで買いそろえることもある。桔梗、女郎花、鬼灯、千屈菜(みそはぎ)など。[季]初秋


☆想い(作者意図)
父の墓参りに来てチャッカマンに火をつけた時、火の出どころは薄い青が見えたが他は透けていた。付いているのかな?とおもい雑草に近づけてみると燃えた・・・燃えたというより消えた。その光景を見た時、父が火葬場で燃やされるときのことを思い出した。
棺に入ったまま火葬され戻ってきた時は骨だけになった父。
燃えるという経緯が無く、骨だけになってしまったというのが当時の自分の実感であり、死んだという事実を認識できていなかった。

墓参りをしていると実感する。父はあの時、骨だけになり今はここで眠っていることを。
「see you later」は子供のころの実感の無さと大人になって実感する別れの言葉である。


◆8月30日 
お題「夏休みの終わり」で一句
神輿発つ朝の白い歯発車ベル
(みこしたつ あさのしろいは はっしゃべる)

神輿:ご神体がのるとされるもの[季]夏

☆想い(作者意図)
夏休みの終わりで寂しさを表現したくなるが、自分は楽しみ、ワクワク感を表現しようとおもった。
マンションのロビーで子供が背負うような小さい神輿を見つけ壁には納涼祭開催の紙が貼ってある。
納涼祭の時に、この神輿を子供が背負うんだろうなあとイメージ、どうしたら楽しくなるかを考えた結果、神輿が出発する瞬間に朝の白い歯という爽やかさ、発車ベルという子供が好きな電車を合わせて詠んだ一句。

32%①蝉しぐれ眩し日影の葉の茶色
32%②白球よ色なき風のあとひとつ
27%③透ける火のSeeyoulater盆の花
09%④神輿発つ朝の白い歯発車ベル

9月に入ると暑さもそうですが風が変わりましたね。夏の風と秋の風では
体感が全然違う。
今月は木曜日が4回なので4句になりそうです。それではまた(=゚ω゚)ノ


勝手に一句(※は投稿した一句)
※バッタ飛ぶハゲタカの手のボールペン(ばったとぶ ハゲタカの手のぼーるぺん)
バッタ:[季]秋

※禿鷹の行く晴天の背の飛蝗(はげたかの ゆくせいてんの せのばった)
飛蝗:[季]秋

※屯田兵稗刈る朝の砂の家(とんでんへい ひえかるあさの すなのいえ)
稗:[季]

※鰯売宝石箱を空にして(いわしうり ほうせきばこを からにして)
鰯売:[季]秋

※白球よ秋風の夜のあとひとつ(はっきゅうよ あきかぜのよの あとひとつ)
秋風:[季]秋

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